佐藤 雅浩 埼玉大学大学院(人文社会科学研究科)准教授

経歴:東京大学大学院で社会学を学ぶ。専門は精神疾患の歴史社会学。とくに近代日本におけるマスメディアと精神医学、あるいは精神疾患の流行と、大衆的な精神医学的知識の関係性について研究を行っている。主たる業績に、『精神疾患言説の歴史社会学―「心の病」はなぜ流行するのか』(新曜社、2013年)、“Popularization of psychiatric knowledge in modern Japan at the turn of the twentieth century: Focusing on the newspaper coverage of mental disorders”, Historia Scientiarum, Vol. 22-2 (2012)、「戦前期日本における精神疾患言説の構図―逸脱と健康の系譜をめぐって」『ソシオロゴス』第32号(2008年)などがある。現在、異なる時代の精神疾患の流行を比較検討することで、その規定要因を探求する比較歴史社会学的方法について研究を進めている。出版物と業績表などは、researchmapから入手できる。

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研究の紹介:この研究は、精神疾患の流行という現象がいかにして生起するのかという問題について、過去と現代の事象を比較する手法を用いることで、ある一定の解答を得ようとするものである。精神疾患の流行というテーマをめぐっては、たとえばI. Hackingによる一連の歴史研究や、現代社会を対象とした数多くの評論/研究が蓄積されつつある。しかし、過去の事例と現代の事例には多くの構造的な類似点があるにもかかわらず、歴史的な比較という観点から、この現象の普遍的な成立要件、あるいは現代に特有の社会的条件を探求しようとした研究は少ない。本研究においては、主として近現代の日本で生起した精神疾患の流行現象(神経衰弱やノイローゼ等)を比較対象としつつ、現代日本で生起しているさまざまな精神疾患の増加(例えば「うつ」の流行)をもたらしている諸要因を明らかにしたいと考えている。精神医学/精神医療というフィールドを対象として、これまでの医学史研究によってもたらされた成果を、現代社会分析に応用することが、本研究の最終的な課題といえる。

聞き取りなどを通じて、親の会の歴史について調べたいと思っています。

 

 

 

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